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ディズニー再発見14 <はじめて>ものがたり [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-100.JPG ディズニー長編アニメ再発見-14
    ディズニー<はじめて>ものがたり-1
      大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像 ③

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●同じ少女でも、オーロラ姫(眠れる森の美女)とは中身がちがう。「ポカホンタス」1995

●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」はこちらを。  
●「ディズニー長編アニメ再発見-5~13」はこちらをクリックしてください。



 前回まで、ディズニー長編アニメーションの象徴ともいえる「ディズニープリンセス(ディズニー
6姫)」について、その描かれ方の変化を見てきました。ところが1990年代後半以降はプリンセスは登場していません。

 お姫さまに代わって登場したのは、ひと味もふた味も違う個性的なヒロインです。そこには、お姫さま路線にこだわらないディズニー長編アニメーションのフレキシブルな方向性を見ることができます。ディズニーにとって初めての挑戦。今回はそんな新しいタイプのヒロインに登場してもらいましょう。



●ハッピーで終わらなかったはじめての物語「ポカホンタス」(
1995

 ポカホンタスはアメリカ人ならだけもが知っているほど有名な、ネイティブ・アメリカン(先住民)の女性だそうですが、これはディズニーが初めて歴史上の実話をベースに取り組んだ作品でした。

P1170074.JPG●酋長と勇者ココアム

 17世紀初頭。ポカホンタスはのちにヴァージニアと名づけられる土地で、ポウハタン族の酋長の娘として成長しました。酋長は娘の結婚相手として一人の勇者に白羽の矢を立てていますが、彼女はお仕着せの結婚には納得せず、もっと広い世界を見たいという願望を持っています。その毅然とした姿はもう大人の女性です。(史実では彼女は11歳だそうですが)


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●穏やかな左の流れよりも、あえて滝に向かう激流を選ぶ彼女の象徴的シーン

 そんな平和な集落の静寂は、アメリカを植民地にしようと現れたラトクリフ総督の指揮するイギリス帆船の出現によって破られます。酋長は彼らを平和裡に迎え、ポカホンタスは未だ見ぬ異郷の青年ジョン・スミスと出会い、恋に落ちます。

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          ●私利私欲で新天地を蹂躙しようとするラトクリフ提督

P1170082.JPG●二人の初めての出会い
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P1170089.JPGP1170092.JPG

 けれども彼らの地を徹底的に収奪しようとする総督の本心を見抜いた酋長は、他の部族と連携して彼らを排斥することを決意し、双方は一触即発の危機を迎えます。ジョンはポカホンタスに、総督が明朝攻撃を仕掛けてくることを伝えますが、ポウハタン族の戦士に捕らえられ、酋長の手によって処刑されそうになります。その直前、身を投げ出して彼を救ったのはポカホンタスでした。彼女は怒りではなく理解すること、勇気をもって行うこと、その尊さを身を挺して父親に諭したのでした。これまでに見てきたヒロインたちと比べて、なんという成長ぶりでしょうか。


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        P1170348.JPG                  
        ●身を捨ててジョンをかばおうとするポカホンタス

 そこに到着したのはラトクリフ総督の一軍。いくさの無意味さを悟った酋長をラトクリフ総督が狙います。とっさに身代わりになったのはジョンでした。総督の銃弾を受けたジョンは負傷し、両軍は互いに矛を収めることにして和解。帆船は引き上げることになりました。
 担架のジョンに寄り添うポカホンタス。「いっしょに行こう」と問いかけるジョンに、彼女は悲しげに、けれどもきっぱりと答えます。「私は行かない。けど、何があっても私たちはいつもいっしょ」。


P1170105.JPG●別れ

 彼女の悲しみは遠ざかる帆船とともに最高潮に達します。こらえ切れずに、出て行く船を全力疾走で追いかけるポカホンタス。その先は高い岬の鼻。そこに立ってジョンを見送るポカホンタスの姿は威厳すら感じられるもので、それはかつてない感動的なエンディングとなりました。

     P1170350.JPG
     ●これまでのような「めでたしめでたし」では終わらなかった「ポカホンタス」

 この作品で特筆すべきは、描かれた彼女の肢体と表情のみごとさ。特に悲しい表情が、まるで俳優が演じているかのように、どんなに微細に描かれていることか。<自分の道は自分で選ぶ>という自立心を備えた「ポカホンタス」には<
Dreams  come  true.>の魔法のおまじないが入り込む余地はなく、今日に至るもいちばんおとなの物語になっていると思います。同じモンゴロイドとして、東洋にも通じるヒロインの容貌に親近感を覚え、どっぷりと感情移入して見つめ続けた映画でした。

                                      つづく




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コメント 38

般若坊

ディズニーアニメの女性って アジア系の女性が多いですね!
作者のあこがれが、作品をそうさせているのでしょうか・・・
by 般若坊 (2011-07-17 06:35) 

路渡カッパ

ここからでしたか、ヒロインの容姿が変わりましたね。
お伽話から実話に・・・アメリカ人がアメリカ人として、
成長したのかも知れません。
物語りとしてだけじゃなく、主張を感じられる作品は後まで記憶に残りますね。
by 路渡カッパ (2011-07-17 10:37) 

pace

以前ディズニーアニメの現場のドキュメントで
実写の演技をセルにトレースして下書きを描くのを見た覚えがあります
バレエや演劇的な人物の動きに合点したのを覚えています

appleを追放されたスティーブ・ジョブズの役割も大きいですよね


by pace (2011-07-17 12:42) 

駅員3

子供の頃確か日テレだったと思いますが、ディズニー劇場…だったかな…をやっていたのを思い出しました。
冒頭では、あのウォルト・ディズニーが出てきて、作品の解説をしていたと思います[ひらめき]
by 駅員3 (2011-07-17 13:35) 

sig

nikiさん
まなみさん
masao。さん
         こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-17 13:39) 

sig

般若坊さん、こんにちは。
ディズニーでアジアを舞台にした作品は、アメリカが戦略的にアジアに力を入れ始めてからで、ここ数年の現象ですから、「ジャングルブック」「アラジン」位で、あまり多くありません。あとは1998年の「ムーラン」くらいなんです。「ムーラン」については近々書きたいと思います。
by sig (2011-07-17 13:46) 

sig

yu-papaさん、はじめまして、こんにちは。
ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-17 13:47) 

sig

綾小路曽根斗さん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-17 13:49) 

sig

路渡カッパさん、こんにちは。
おっしゃるとおり、この作品からこのタッチに変わりますね。そして立体的な描写になって行きます。この作品は実は私が一番好きな作品で、完全に大人の見る映画になっていますね。この作品はアメリカでインディアンが我々を認めろと運動を起こした時代を背景に製作されたもので、このころ以降製作される作品には大なり小なりアメリカの国策の影がちらつくようになり、当然ディズニーの世界戦略も加味されたマーケティングにのつとった作品作りがなされるようになってきますね。
by sig (2011-07-17 14:01) 

sig

市丸さん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-17 14:06) 

sig

paceさん、こんにちは。
仰るとおり、ライブアクションをなぞってアニメのセル画を描く手法は、最初の長編「白雪姫」以前の、オペラを基にした短編アニメの時代からからすでに行われていたというから驚きです。
表情の描写が特に豊かになるのは90年代で、演技者としても優秀なアニメーターか育っていたんですね。
スティーブ・ジョブズ関連ではピクサーの成功とそれを手中にした3DCG部門の大躍進ですね。またジョージ・ルーカス、スティーヴン・スピルバーグとの連携は、パーク関係に大きな変革をもたらしたと思います。

by sig (2011-07-17 14:33) 

sig

ChinchikoPapaさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-17 14:34) 

sig

駅員3さん、こんにちは。
はいはい、子供たちは夢も希望も抱くことができました。いい時代でしたね、あの頃は。笑 
TVに御大が登場することで、ディズニーというブランドが世界中で確立したようなものでした。
by sig (2011-07-17 14:37) 

sig

okin-02さん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-17 14:38) 

sig

shin.shionさん
gillmanさん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-17 17:12) 

うさ

主人公がお姫様じゃなくなったというのは…sigさんの文章を目にしてはっとさせられました。そう言われてみれば確かにそうなんですね。あまり悲しいお話なら見たくないけれど(笑)、どうやら見送る姿が清々しさすら覚えるような表情に魅力を感じてしまいました。今度レンタルビデオ借りてきます♪
by うさ (2011-07-17 17:28) 

sig

うささん、こんにちは。
ポカホンタスは酋長の娘ですから、プリンセスと言えなくもないのですが。笑 ラスト、清々しく見送るんですけど、もう涙ボロボロです。何度見ても、彼女のけなげさに泣けるんです。ここだけの話ですよ、指切りげんまん。
私の好きなディズニー映画の第1位がこの作品なんです、実は。
by sig (2011-07-17 17:40) 

アヨアン・イゴカー

この映画も見ていませんが、見てみたい作品です。
sigさんが泣けてしまうほどの作品ならば、是非見てみようと思います。
by アヨアン・イゴカー (2011-07-17 22:17) 

yakko

こんばんは。
今までディズニーアニメとはずいぶん違うようですね。
もうめでたし ! めでたし ! の結末ではないんですね〜(;゜ロ゜)
by yakko (2011-07-17 22:25) 

sig

yannさん
majoramuさん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-18 08:05) 

sig

アヨアン・イゴカーさん、こんにちは。
物語りもさることながら、ヒロインが頼りにする木の精の設定がいいですね。あとは背景の美しさ、音楽のすばらしさです。きっと気に入っていただけると思います。
by sig (2011-07-18 08:09) 

sig

yakkoさん、こんにちは。
あはは・・。めでたしめでたしで終わるのは、このあともずっと続きますよ。
でもヒロインたち、自分で考えるようになって、ずいぶん成長したでしょう。
この変化は現実の女性の意識変化と無縁ではないわけですね。舞台は観客といっしょに作り上げるといいますが、映画も同じで、観客の姿が反映されるのでしょうね。
by sig (2011-07-18 08:16) 

sig

garapagosさん
めぇさん
(。・_・。)2kさん
rebeccaさん
ふぢたさん
マチャさん
kurahichiさん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。

by sig (2011-07-18 08:17) 

mito_and_tanu

ハッピーエンドでないとは言え、日本のアニメに比べると、ハッピーエンドですね。
てっきり、ヒロインもヒーローも愛を貫きつつも戦の中で非業の死を遂げるお話かと思いました。
by mito_and_tanu (2011-07-18 09:29) 

sig

mito_and_tanuさん、こんばんは。
ディズニーには昔からのきれいきれい…いわゆるディズニーテイストというものを継承しようとする姿勢が基本にあると考えられます。ですから、シリアスなものや残酷だったりするものは、ほかにお任せということになるのでしょうね。ポカホンタスは実在の人物で、歴史的にもこの場で英国人と刺し違えたりするようなことはなく、のちにイギリスに渡ってもいるようです。
by sig (2011-07-18 20:37) 

sig

しげさん
セイミーさん
SWC-24さん、
           こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-18 20:38) 

sig

ぺぴさん、はじめまして。こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-19 07:59) 

sig

miyokoさん
サチさん
SILENTさん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-19 15:14) 

くまら

ポカホンタス観た事ないです
今度レンタルしてみます
by くまら (2011-07-19 18:19) 

urara☆

私も見たことなかったのと、宣伝がさほどなかったなのか、あまり覚えてなかったのですが^^;
sigさんの判りやすい説明で楽しませて貰っちゃいました♪♪♪
子供の頃、夏休みのテレビ映画で、ブームのようにやっていた西武劇も見ていましたので、
アメリカインディアンが簡単に殺されて悲しい歴史を続けていたのは、
子供心に悲しかったのを覚えてます。
でも、この作品の戦いは、絶滅させられずに、和解がうまくいったようなので、事実がそうなのか判りませんが、とりあえず、そこの所は安心しました(^_^;)

by urara☆ (2011-07-19 19:25) 

sig

くまらさん、こんばんは。
この作品は、それまでのディズニー作品とちょっと趣が違うと思いますから、新しいディズニー長編アニメーションを知る上でとてもよい作品だと思います。
風をうたったテーマ音楽、CGを上手に取り込んだ背景など、見どころ聞き所も大きい作品だと思います。
by sig (2011-07-19 21:14) 

sig

urara☆さん、こんばんは。
昔のアメリカ映画は単純にインディアンは全部悪者にして描いていたのですが、公平な目でインディアンを描くようになった映画は、ベトナム戦争の時代に騎兵隊の時代をダブらせて描いた1964年の「シャイアン」あたりからで、その後、若手映画作家が作り出した「ソルジャー・ブルー」(1970)など、アメリカン・ニューシネマという流れになっていきます。
ポカホンタスやジョン・スミスの史実についても、古いことなのでいろいろあるようですが、この作品は史実とはいえあくまでもディズニー流に調理したお話と受け取っておいた方がいいでしょうね。いつもコメントありがとうございます。
by sig (2011-07-19 21:32) 

sig

marimoさん
末尾ルコ(アルベール)さん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-20 10:39) 

sig

OMOOMOさん
プランッマーケットさん
hayama55さん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-21 09:21) 

sig

あんれにさん
八犬伝さん
himakkoさん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-24 17:33) 

sig

響さん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-24 18:49) 

sig

sazanさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-26 19:16) 

sig

MI_GR_さん
あら!みてたのねさん
          こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-08-16 19:28) 

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