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ディズニー再発見15 おとこを惑わすじゃじゃ馬娘  [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-100.JPG  ディズニー長編アニメ再発見-15
     おとこを惑わすじゃじゃ馬娘登場
      大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像 ④
      ディズニー<はじめて>ものがたり-2

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エスメラルダの悩殺ウインクに、冷酷非情の堅物有力者フロロー判事もメロメロ

●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」はこちらを。  
●「ディズニー長編アニメ再発見-5~14」はこちらをクリックしてください。



●民族/差別問題に切り込んだはじめての物語「ノートルダムの鐘」(1996
 耳が巨大化したダンボを身体的欠陥とみなして差別だと受け取った人たちがいたそうです。ヴィクトル・ユーゴーの原作を元にした「ノートルダムの鐘」に登場する生まれつき不具な鐘突き男カジモドに対しても、同じように見る人たちがいるかもしれません。

 けれども「ダンボ」(1941)の描き方で分かるように、ディズニー長編アニメーションがこれらの登場人物を差別的に描くはずはなく、「ノートルダムの鐘」では、見かけとは正反対に美しい心を持つ男の物語が、共感をベースに温かい目で描かれています。


1996.JPG

 この映画が公開された
1990年代は、世界的に民族、宗教、人種といった問題が噴出した時代でしたが、その時期にひとつ間違えば物議をかもしそうな物語「ノートルダムの鐘」をあえて公開したことは、ディズニー長編アニメの意欲を示すものとして評価されてよいのではないでしょうか。


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「わしが育ててやった恩を忘れるでないぞ」

 舞台は教会が最高の権力を振るっていた
15世紀末のパリ。この地の最高権力者フロロー判事は、社会を乱す元凶は異郷のロマ(ジプシー)たちであると唱え、彼らを容赦なく弾圧していました。
 彼は
20年前、ノートルダム大聖堂前に捨てられた醜いロマの赤ん坊を贖罪のつもりで助け、カジモドと名づけて大聖堂の最上階に閉じ込めて、鐘突き男として育ててきました。この作品では、憧れのお城を眺めて暮らす女の子の代わりに、大聖堂の高みから毎日広場を見下ろして自由を夢見る男性がカジモドの役割です。


P1170352.JPG「ああ、自由になりたい」

 広場はみんなが待ちに待った祭りの日を迎えました。ステージやパレードを盛り上げるロマたちの中にひときわ目立つ美しい存在がエスメラルダ。

 フロローは護衛隊長フィーバスに祭りの監視を命じ、楽しそうな祭りにつられて聖堂を脱け出したカジモドも、広場の人の輪に入ります。


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          「フィーバス隊長。挙動不審者は容赦なくひっとらえよ!」 
           
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                「カジモドの奴、塔から抜け出しおって!」 

 ところが人々はその奇異な風貌を見て、カジモドをなぶりものに。その時、群衆の中から敢然と立ち上がったのがエスメラルダでした。
 ここと思えばまたあちら。変幻自在のじゃじゃ馬娘が
カジモドを助ける活躍ぶりに、彼女をいっぺんに好きになってしまったのはフィーバス隊長。また驚くべきことにフロローまでもが、その妖しい魅力に惑わされてしまったばかりか、エスメラルダに助けられたカジモドも彼女に淡い期待を抱いてしまいました。これって四角関係っていうのかな。こんなに自由奔放で男にもてたヒロインも、ディズニー長編アニメーション史上初めてです。
 

         P1170330.JPG ←この瞳がフロローをとりこに。

P1170354.JPG カジモドはみんなの慰みものに
 
       P1170356.JPGカジモドを助けるエスメラルダ 

                    P1170337.JPG
         「おおエスメラルダ。そなたはなぜにエスメラルダなのだ」
          かわいさ余って憎さ100倍のフロロー。                  
P1170333.JPG P1170334.JPG
 こんなにいやらしいワルも、ディズニー長編アニメーション史上初! 
 権力をかさに着て、唾棄すべき輩とはこのこと。肩書きの看板を降ろしたらけだもの以下。


 フロローは、自分になびかないエスメラルダを魔女と名指しし、大聖堂に閉じ込めてしまう一方、民衆への見せしめに罪のない粉屋に言いがかりをつけて風車ごと燃やしてしまいます。
 その仕打ちに反感を抱いたフィーバス隊長はフロローに反旗を翻し、虐げられている民衆の側に付きます。当然、隊
長は追われる身となりますが、エスメラルダに助けられてカジモドの元へ。エスメラルダはカジモドに、フィーバスをかくまってくれるよう嘆願します。<エスメラルダの気持ちは自分ではなくフィーバス隊長にあったのか…>。夢が崩れ去っていく悲哀をかみしめるカジモドでした。

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            フロローの  命令で、罪もない粉屋が焼かれる。

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エスメラルダを巡って、ほんのちょっとしたいさかい。

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         (エスメラルダの気持ちはフィーバス隊長に向けられていたのか…)

 結局、この作品で主役を張ったカジモドは、美女エスメラルダとめでたしめでたしという訳には行きませんでした。原作ではフロローによって処刑されるエスメラルダですが、その結末を避けて、カジモドの大奮闘によるエスメラルダの救出シーンをクライマックスに設定して花を持たせ、やはりラストは美男美女のカップルで締めたいということなのでしょう。エンディングはエスメラルダとフィーバス隊長が結ばれるというところが「ノートルダムの鐘」の限界なのかもしれません。

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●フロローの一方的な魔女裁判でエスメラルダは火刑に。
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                   「もう大丈夫! 僕が助けてもらったお返しだいっ」     

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「幸せになってくれなきゃ、ペンしちゃうからね。頼むよ」

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     「ここで終わりにしたくないって顔してるわね。あなたの活躍の場、少なかったものね」

                                      つづく


デル株式会社


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お茶屋

久しぶりの一番茶く!
by お茶屋 (2011-07-20 09:49) 

pace

常に作られた時代を反映しているものですね
by pace (2011-07-20 10:12) 

sig

お~、お茶屋さん、駆けつけ一杯!
by sig (2011-07-20 10:48) 

sig

Paseさん、こんにちは。
<歌は世につれ、映画も世につれ>というところでしょうか。
by sig (2011-07-20 10:55) 

niki

カジモドが気の毒で、見たときにただひたすら同情したのを
思い出しました(´;ω;`)
by niki (2011-07-20 11:07) 

くまら

ノートルダムの鐘、懐かしい~
また見たくなっちゃいました^^
by くまら (2011-07-20 11:39) 

アヨアン・イゴカー

あれはアメリカの製作でしたか、小学生の時、白黒で『ノートルダムのせむし男』を初めて見ました。衝撃をうけました。カジモドの扮装に、エスメラルダの魅力に、乞食たちの世界に・・・小学校の図書館で子供用に書き直した『ノートルダムのせむし男』を借りて、夢中になって読みました。大人になってからも河出書房新社でしたか、の版で読みました。大好きな作品です。ディズニーではめでたしめでたしなのですね。
画像で紹介されているエスメラルダ、他のディズニー作品のヒロイン達と違って、蠱惑的ですね。
by アヨアン・イゴカー (2011-07-20 14:11) 

yakko

こんにちは。
ヒロインも変わりましたネ〜 妖艶です・・・(^。^)
by yakko (2011-07-20 14:24) 

般若坊

ふーーーん アニメというのは、映画演劇よりも より原作に近く 表現出きるみたいですね!いわゆる 知られすぎた役者の顔が無い分 イメージに基づくぴったりの主人公が 表現できる・・・ 
by 般若坊 (2011-07-20 18:33) 

OMOOMO

エスメラルダ、魅力的ですね。恋多き女性なんですね。
読み入りました。次が楽しみ。
by OMOOMO (2011-07-20 18:43) 

プランツマーケット

セクシーでクールな主人公は、女性にも魅力的に映りますね♪
by プランツマーケット (2011-07-20 19:35) 

sig

nikiさん、こんばんは。
こういうお話はnikiさんの方がお上手なんですが、成り行きでしたためました。何も悪くないのに、見た目だけで差別されたりするのは本当に理不尽ですよね。よくできた作品なんですが、ラスト、エスメラルダはやっぱりハンサムを選んじゃうんですよね。
by sig (2011-07-20 22:44) 

sig

kurakichiさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-20 22:44) 

sig

くまらさんはこの映画、ご存知でしたか。
いろいろな見方があると思いますが、私はこんな風に感じて見ていました。
最近、衛星放送からパソコンにハイビジョンで録画したのですが、ソフトがいうこと聞かなくなって取り出せなくなり、昔のビデオから採録したので画面が汚いです。
by sig (2011-07-20 22:48) 

sig

okin-02さん
ChinchikoPapaさん
          こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-20 23:18) 

sig

アヨアン・イゴカーさん、こんばんは。
1923年、1939年と2本ともモノクロで映画化されていますが、アヨアンさんがご覧になったのはチャールス・ロートン、モーリン・オハラ主演の39年の作品だと思います。
私は美女ジーナ・ロロブリジーダがヒロインを演じた1956年のフランス映画(カラー)がなじみです。それまでのディズニー映画らしからぬ女性像が前回あたりから現れています。あともう2作品お付き合いください。
by sig (2011-07-20 23:40) 

sig

yakkoさん、こんばんは。
ディズニー長編アニメーションにも、ずいぶんおとなの女性が登場するようになったでしょう。あともう2作品ご紹介しますから、どうぞお付き合いくださいませ。笑

by sig (2011-07-20 23:42) 

sig

yukiさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-20 23:43) 

sig

般若坊さん、こんばんは。
仰るとおり、役者の顔がないから、変な先入観をもたれることはないでしょうね。原作に近くすることも、逆に跡形もなく変えてしまえるのもアニメかもしれません。この映画自体、相当脚色されているようですよ。
by sig (2011-07-20 23:46) 

sig

OMOOMOさん、こんばんは。
彼女自身はフィーバス隊長オンリーなんですが、カジモドに親切にしたことで、誤解を与えた節がありますね。日常でもありそうなお話ですが・・・。
あと2回ほど新しいタイプのディズニーキャラをご紹介したいと思います。
by sig (2011-07-20 23:55) 

sig

プランツマーケットさん、こんばんは。
このエスメラルダは本当に魅力的ですね。写真では容姿しか伝えることができませんが、映画で見たらその動きもとても魅力的ですよ。
by sig (2011-07-20 23:57) 

sig

あかしやさん
yannさん
sanaさん
kiyoさん
          こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-20 23:59) 

hayama55

やはり結末は美男美女が結ばれる...。
主役級のカジモドがちょっぴりかわいそう...。
by hayama55 (2011-07-21 00:54) 

sig

hayama55さん、こんにちは。たくさんのnice、ありがとうございます。
大活躍の割には、カジモドはやはり損な役割ですよね。笑
by sig (2011-07-21 09:23) 

sig

marimoさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-21 09:24) 

TAKA

こんにちは
小さいころから、あまりディズニー映画は観なかったので、
よくわかりませんが、色々とあるんですね。

by TAKA (2011-07-21 12:49) 

urara☆

この作品も見てないのですが、sigどんのストーリと解説が、絵本で読みきかすように、
判りやすかったので、とても楽しめ、得をしちゃいました(^^♪
絵的には、日本アニメ&マンガで育った私には、好きではないですが^^;
でも、不思議と、映画として生命ある物語で見はじめると、魅力が出てくるので、見れば好き嫌いは関係ないと思いますが!

by urara☆ (2011-07-21 13:22) 

sig

TAKAさん、こんにちは。
ディズニー長編アニメーションはこれまでに39本作られています(公称50本)。今では大人も十分楽しめる作品として作られています。機会があったらお子さんといかがですか。
by sig (2011-07-21 16:22) 

sig

urara☆さん、こんにちは。
ディズニーのアニメタッチは日本アニメとは確かに違いますね。日本アニメがディズニーと差別化を図るために独自のタッチを編み出しているんでしょうね。urara☆さんのカエル君をアニメにしたらいかがでしょう。
by sig (2011-07-21 16:27) 

路渡カッパ

こんばんは。
飽きさせない息を呑むストーリ展開の中、大切な“教え”を盛り込んでいく、ディズニーアニメにはいつも誇り高いものを感じます。
by 路渡カッパ (2011-07-21 19:25) 

sig

あんれにさん
マンチ軍団さん
           こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-21 20:46) 

sig

路渡カッパさん、こんばんは。
ディズニーアニメもいろいろな見方があると思いますが、私は自分の情操を子供の時から育んでくれたと思っています。映画1本を作り上げるまでには、あらゆる分野の大勢の専門家が取り組むのですから、こんなに贅沢ですばらしいものはないと思っています。
by sig (2011-07-21 20:51) 

sig

yhiga-siuraさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-21 21:59) 

ふぢた

この時代のアニメが一番よかったです・・・
ホント、今のは苦手です・・・
by ふぢた (2011-07-22 16:20) 

sig

めぇさん
masao。さん
マチャさん
          こんばんは。ご来館ありがとうございます。

by sig (2011-07-22 23:37) 

sig

ふぢたさん、こんばんは。
このころまでが手書きアニメタッチなんですね。このあとはピクサーのCGのウェイトがどんどん高くなってきます。
by sig (2011-07-22 23:40) 

sig

今造ROWINGTEAMさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。


by sig (2011-07-22 23:41) 

般若坊

こんなうれしいお申し出 ありがとうございます。 ぜひお願いいたします。さっそく拝見に伺います。楽しみです!!わたしも Astro・ Fantasy 3 にリンクさせていただいてよろしいでしょうか?
by 般若坊 (2011-07-23 00:01) 

sig

般若坊さん、こんにちは。返事が遅れてすみません。
もちろんもちろん、こちらからお願いします。あまりにも記事内容のグレードが違って、恥ずかしい限りです。
by sig (2011-07-23 18:02) 

うさ

ディズニー映画って結局何本の作品があるのでしょう? 私、こんなに見ていない作品がたくさんあるとは知りませんでした。sigさんのところに来るたびに、あ、これも見ていない、あれも見ていない、そして…見たくなる(笑)。見る前は復習でまた読み直してから視点を定めて見ようかな…^^
by うさ (2011-07-23 19:19) 

タッジーマッジー

あんまりディズニー映画は見たことないですが、
考えさせられるいい映画な気がします。
ディズニーっていろいろな映画、作ってるんですね。
それにしても、ダンボのこと、そいう風に見るヒトもいるんだなぁ。
逆にそう思うほうが差別な気もするけど。
by タッジーマッジー (2011-07-23 20:35) 

sig

般若坊さん、リンクOK、ありがとうございました。
by sig (2011-07-24 11:25) 

sig

うささん、こんにちは。
ディズニー長編アニメーションはディズニー社自身は今年の「塔の上のラプンツェル」で50本と数えていますが、中には数本の短編をつないだオムニバス形式の作品とCG100%の作品があり、私はそれを外して30本と数えています。最近はペイテレビ(WOWOWなどの有料放送)で、かなりの作品が放映されるようになりました。ぜひ機会を見つけて親しんでください。音楽についてはこのブログでは触れていませんが、音楽もとにかくすばらしいですよ。
by sig (2011-07-24 11:32) 

sig

タッジー・マッジーさん、こんにちは。
ディズニー長編アニメーションは昔から、親が子供に安心して見せられる映画、と決まっていました。望ましい倫理観が埋め込まれていて、どれもみんなすばらしい作品だと思います。ぜひ折を見て親しんでください。
by sig (2011-07-24 11:35) 

sig

八犬伝さん
himakkoさん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-07-24 17:34) 

響

悪い奴は本当に悪く描いていますね。
魔女裁判なんて時代背景がリアルです。

by (2011-07-24 17:51) 

sig

響さんの仰るとおり、こんなに憎憎しげな悪役は、人間のキャラクターでは他にいないのではないかと思われます。その意味でもこの作品はかなりリアリスティックです。
by sig (2011-07-24 18:53) 

sig

(。・_・。)2kさん
sazanさん
Ja-kou66さん
          こんばんは。ご来館ありがとうございます。

by sig (2011-07-26 19:17) 

sig

MI_GR_xy
ともちんさん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。


by sig (2011-07-28 13:04) 

sig

あら!みてたのねさん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-08-16 19:29) 

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