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「エディット・ピアフ その愛」-4 [「エディット・ピアフ…その愛」]

P1030925b-100.JPG    ステージ構成台本
    
「エディット・ピアフ その愛」- 4

Edit.jpg

(前回からの続き)

 

                                                         

突然、衝撃音とともに、一瞬深紅に染まるホリゾント。
複数のスポットがエディットを乱射する。


エディット
  「とうとうその日がやってきました。私の恐れていたその日が。
            最愛の男性、マルセル・セルダンの突然の死。
            ミドル・ウエイト級世界チャンピオンのあの頑強な肉体が、飛行機事故で 
   一瞬のうちに滅びるなんて、誰が予知できたでしょうか……。

            神様。あなたは私にたくさんのものを与えてくださいました。
            名声も財産も、私の未来も、命さえも。
            そのすべてお返ししますから、
            どうかマルセルを返して…。」


一筋のスポットがエディットに注がれる。
きっぱりと顔を上げるエディット。


エディット
  「今夜私は、自分自身のために歌います。
            マルセルに捧げた
            愛の真実を噛みしめるために……。」


       私の神様 





エディット
  「最愛の人を失ったショックによる自殺未遂。入院。
            麻薬中毒とアルコール中毒が並行する地獄のような日々。
            とうとう堕ちるところまで堕ちた私。
            発狂寸前の錯乱状態の中で、私は自分に問い掛けていました。

            エディット、あなたは一体だれ?
            ここにいるあなたは何者なの?

            暗い闇の世界。孤独との闘い。
            ステージの上の私は、生きたむくろでした。
            私のからだはきしみ、悲鳴を上げていました。

           それでも私は歌い続けました。
           『私から歌を取りあげないで。
            私にはもう、これしか残っていないんだから。』」


       群集 





エディット
  「みんなが寄ってたかって私のおぞましい履歴を暴こうとする。
            悪魔たちが私をまた暗い過去へ引き戻そうとしている。
            〈あんたに幸福になる資格があるっていうの?〉

            でも、安っぽい同情なんかいらない。同情には欺瞞がつきものだから。

            私は言ってやりたい。
            傷つきもせず、うわべだけの幸せにうつつを抜かしているような人間に、
            身を滅ぼすこともいとわない私の愛が分かってたまるかって……。
           
           
私は負けない。
            私には歌がある。
            その歌を待ち望んでいる観客がいる。」


       パダン・パダン 




                                                                (次回 完結)


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コメント 22

pace

ピアフであったりビリー・ホリディであったり
聴く人間を一生懸命にさせる
by pace (2011-10-18 02:09) 

lamer

ダミアっていませんでしたか?
by lamer (2011-10-18 10:00) 

yakko

こんばんは。
ビリーホリディの人生をテレビで見たことがあります。
そういえば偉大な歌手・・・には相通ずるものがあるのでしょうか〜?
by yakko (2011-10-18 21:04) 

路渡カッパ

こんばんは。
「私には歌がある」
・・・そんな台詞が似合う歌手ですね!
by 路渡カッパ (2011-10-18 21:32) 

アヨアン・イゴカー

パダン・パダンという歌は、酔っ払いの歌だと私は妻に言ったことがあります。正確に言うと、アル中の歌。
酔った女が、街灯の灯る通りをふらつきながら、幻聴に悩まされながら歩いている、なんとも苦しい歌に聞こえます。
by アヨアン・イゴカー (2011-10-18 23:30) 

urara☆

これだけ、まとめてピアフの歌を聞いたのは初めてかもです^^;
歌を習っている知り合いの発表会によく行きましたが、
年配の方ほど、演歌よりも、シャンソンが多く、ピアフも多く歌われてました。
そんな背景をも知っているからこそ、年齢的に理解できて、内面から歌っていたのだろうと、
今、解った気がします(^^♪

by urara☆ (2011-10-19 14:32) 

うさ

失意のどん底から強い姿まで…。ピアフの幅広さを知ることが出来ますね。これ一度に3つ進むのはもったいない気がします。1曲1場面1記事で続くっていうのがそのつど歌に浸れたりして良いかも…と今更書いてみたり(笑)。だって…あと1回で終わっちゃうなんて…!!!
by うさ (2011-10-19 22:27) 

sig

やっさんパパさん、はじめまして。こんにちは。
ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-20 09:01) 

sig

paceさん、こんにちは。
私は特にシャンソンが好きというわけではなく、昔はラテンにだけは没頭していました。以来ラテンの流行はなく、音楽から遠ざかってしまいました。好きだったのは80年代のPOPsでしょうか。かなり浮かれていました。
by sig (2011-10-20 09:04) 

sig

masao。さん
般若坊さん
nikiさん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-20 09:05) 

sig

lamerさん、こんにちは。
ダミアも強烈でしたね。歌の方向性といい、歌い方といい、ピアフといい勝負じゃないでしょうか。笑
by sig (2011-10-20 09:06) 

sig

kurakichiさん
お茶屋さん
ChinchikoPapaさん
mwainfoさん
okin-02さん
ぼんぼちぼちぼちさん
silvermacさん
m6324さん
yannさん
           こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-20 09:09) 

sig

yakkoさん、こんにちは。
アメリカの1920年代は大恐慌ということもあって社会全体がすたれていたようですね。ジャズはそんな環境の中で人々の心にわずかな灯をともしていたようですが、当時の貧困家庭の貧しさは想像以上だったでしょうね。ピアフが育った時代のパリも、同じような状況だったのではないでしょうか。
by sig (2011-10-20 09:17) 

sig

あいか5drrさん、こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-20 09:18) 

sig

炉渡カッパさん、こんにちは。
本当ですね。私のようにあれもやりたいこれもやりたいでは、絶対に大成しませんね。いい見本です。笑
by sig (2011-10-20 09:20) 

sig

アヨアン・イゴカーさん、こんにちは。
確かにパダン・パダンという足音の響きは重いですよね。ピアフにとっては死神の呼び声と思えたかも知れませんね。
by sig (2011-10-20 09:24) 

sig

あらみてたのねさん
hi-ragiさん
e-g-gさん
          こんにちは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-20 09:25) 

sig

urara☆さん、こんにちは。
ピアフを知らない年齢層が増えてきました。「今が楽しければそれでいい」というような軽佻浮薄(投げやりにならざるを得ない時代ですが)な曲も悪くはありませんが、深みのある人生を歌ったこのようなシャンソンは
、ある程度人生経験を積まないとわからないかもしれませんね。
by sig (2011-10-20 09:31) 

sig

うささん、こんにちは。
この台本の上演時間は1時間弱で、実際には一部二部と分けたコンサートの二部で演じられました。こういうものは流れで読んでいただくものだから、本当は1本でUpしたかったんです。その代り、5日間連続Upの形をとりました。ご多忙の中、熟読、ありがとうございました。
さあ、今度は何やろうかな。今考えているのは日本映画ですが、例の著作権関連で、すぐに中止の憂き目を見るかも。でも、ネットのような形態で過去の映画を語るのは今日的な文化の一端ではないかなどと理屈をつけたりして・・・ま、どうなりますことか。

by sig (2011-10-20 09:40) 

sig

marimoさん
sanaさん
あんれにさん
末尾ルコ(アルベール)さん
           こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-21 20:20) 

sig

Ja-kou66さん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-10-23 00:16) 

sig

hayama55さん、こんばんは。ご来館ありがとうございます。
by sig (2011-11-12 22:59) 

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