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ディズニー再発見13 相手まかせじゃ、愛は不安定。 [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-3.jpg  ディズニー長編アニメ再発見-13
相手まかせじゃ、愛は不安定。
大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像 ②

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●「美女と野獣」1991  魔法が解けた王子とベル

●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」は下記を。
   http://fcm.blog.so-net.ne.jp/archive/c45409934-1
●「ディズニー長編アニメ再発見-5~17」は下記をクリックしてください。
  http://fcmfcm.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301486730-1

 誰でも知っている「ディズニープリンセス(ディズニー6姫)」。前回は、白雪姫、シンデレラ、そして「眠れる森の美女」のオーロラ姫の人となりについて展望しました。今回はそれからおよそ30年を隔てて現れた、あと3人のディズニープリンセスを展望してみましょう。

●人間の王子に恋をした人魚アリエル
 アンデルセンの「人魚姫」を元にした「リトル・マーメイド」(1989)は、一時期停滞気味の長編アニメーションへのてこ入れ策として、ディズニーの新経営陣が打ち出したおとぎ話復活路線の第1弾です。


 ヒロインのアリエルは、海の王トリトンの末娘で
16才。好奇心旺盛な彼女は陸上の世界を想い、海底に沈んだエリック王子の彫像に憧れを抱いています。ある晩停泊している帆船に近づいて、本物のエリック王子に一目ぼれ。
  ところが嵐になり、溺れる王子を助けたアリエルは、彼に対する感情を押さえることができなくなりました。けれども人間と人魚。許される恋ではありません。
 このようにこの作品ではアリエルが王子を見染めるのです。ディズニー映画ではこれまでにない全く新しい状況設定です。

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●憧れの王子を見に、自分から出かけて行ったアリエル

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●人間を愛してしまったアリエルは、自分の美声を犠牲にして魔女から2本の脚を得る。

 そこでアリエルはトリトン王に内緒で、海の魔女アーシュラに会いに行きます。トリトン王に代わって海底の覇者を目論むアーシュラは、アリエルが人間になるためには、3日後の日没までにエリック王子から真実のキスを受けることを条件に、アリエルの宝物とも言える美声と交換に彼女に両足を与えます。

 もちろんアーシュラは、アリエルの夢をかなえさせる気などありません。それどころか、その期限までの間にあらゆる妨害の手はずを考えていました。
 こうして人間の姿でエリック王子に会えたアリエルですが、声が出せないために想いを伝えることができません。3日はすぐに経ってしまい、その日の夕方になりました。

  アーシュラは王子や周りの者に魔法を掛けて若い女性の姿で王子の前に現れますが、間一髪、アリエルに声が戻りエリック王子も正気に(この描き方はご都合主義)。巨大ダコの姿で正体を表したアーシュラをエリック王子が成敗して、晴れてアリエルは、人間の姿でエリック王子のお妃になることができました。アリエルは自分の意志で、大きな犠牲もいとわずに、捨て身で愛を貫き通したのでした。


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●美女に化けて王子に取り入ろうとする魔女アーシュラ

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●おお怖わ。これがアーシュラの本性

●姿かたちではなく、本質を見抜く目を備えていたベル
 「美女と野獣」(1991)のヒロイン、ベルは、同じ年頃の娘たちがうつつを抜かしている粗野でうぬぼれ屋のガストンに言い寄られても、まったく意に介しません。この作品では、それまでのディズニー長編アニメーションのキーワード<Dreams  come  true.>は、ガストンがベルに言い寄る時に、「あんたの夢を叶えて上げられるのは、俺くらいのものさ」というニュアンスで、それまでのキーワードを茶化すような形で使われています。これは、以前の長編アニメからの脱皮をほのめかすものと考えられなくもありません。

 当のベルは、大好きな書物に埋もれてすてきな王子様との出会いを夢見ていますが、それが現実的でないことも承知しています。

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●読書好きのベルは、粗野なガストンに目を付けられてしまった。自信家は始末が悪い。
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 ところがある日、発明家のお父さんが森の中で道に迷い、野獣の棲む古城に捕らえられてから、彼女の運命は一転します。彼女は果敢にも年老いた父の身代わりに、人質として古城に留まることを選ぶのです。

 最初は野獣を恐れていたベルですが、日が経つに連れて少しずつ野獣の優しさも感じ取れるようになってきたある日、入ってはいけないと言われていた部屋を覗いて野獣の正体を知ったベルは、野獣に見つかり怒りを買って城から逃げ出します。待ち構えていたように彼女を取り囲むのは飢えた狼の群れ。ところがその危機を救ったのは野獣でした。その代わり、野獣は深手を負ってしまいました。手厚いベルの看護で二人の仲はぐっと狭まるのですが、ベルはお父さんのことが心配でたまりません。野獣は、ベルを帰してしまったら人間の姿に戻ることができなくなるのに、彼女を帰す決意をします。

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 一方、何としてもベルを我が物にしたいガストンは、ライバルである城の野獣に敵意を募らせていきます。ベルが戻ったのを知ったガストンは、期は熟したり、とばかりに村人を扇動して城に攻め込みます。ラストは屋根の上でのガストンと野獣の壮絶なバトル。駆けつけたベルの声を聞いて野獣も力強く応戦します。そしてやはり悪は滅び、正義が勝利するのですが、瀕死の野獣の命を蘇らせ王子の姿に戻したのはベルの愛でした。

 ディズニー・プリンセスが登場するこれまでの3作も、ラストはキスシーンでした。けれども、どれも眠りから目覚めさせるおまじないのようなキスでした。けれども「美女と野獣」は違います。こんなにもリアルで美しいキスシーン。それはディズニー長編アニメーション史上、初めてのものでした。
 そしてそれは、ディズニー長編アニメーションがもはや子供たちだけのものではなく、またアニメーションとしてではなく、普通の映画として楽しんでほしいと
のメッセージを込めて観客に向けられたものでした。

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●窮屈なお城の生活に嫌気が差した王女ジャスミン
 
それまでのヒロインが例外なく、王子さまと結婚してお城に住むことを夢見ていたのに比べて、「アラジン」(1992)が大きく異なる点は、ヒロインのジャスミンは始めからお城の王女さま。反対に、いつもお城を眺めて王子の生活を夢見ているのは貧乏人のアラジン、という真逆の設定であることです。これは新展開のディズニー長編アニメーションが初めて見出した斬新な切り口です。

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●お城はアラジンにとっては憧れの場所。ジャスミンには帰りたくない退屈な場所。


 舞台はアラビアのアグラバーの都。彼女は退屈なお城の生活に嫌気が差して、街の雑踏を見下ろしながら庶民の生活に好奇心を燃え上がらせています。そんな彼女ですから、お忍びで歩く街中でアラジンと出会って、意気投合したとしても不思議はありません。

 一方、お城では王様がジャスミンの結婚を進めようとしていますが、ジャスミンは候補者をみんな袖にしてきました。この作品でジャスミンはアラジンとも対等に張り合います。場合によってはジャスミンがアラジンをリードする場面もあります。

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 アラジンは身分が違いすぎるので、魔法のランプの精ジーニーに頼んで王子の姿にしてもらいます。そのランプを手に入れて、アグラバーの王位とジャスミンを我が物にしようともくろむのが宰相ジャファーです。ジャファーは妖術を使ってアラジンを捕らえますが、驚くべきことにジャスミンは、アラジンを救うために色仕掛けでジャファーに迫ったりもします。こんな大胆なお姫さまはディズニー長編アニメーションでは初めてのことです。

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●ジャファーに色仕掛けで迫るなんて、白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫にはできません。


 この作品では、危急存亡の時にアラジンが「
Trust me.」と手を差し出すと、ジャスミンは「Trust You.」と応えてその手を受けます。<Dreams  come 
true.
>というキーワードは使われていませんが、互いに信じ合うことでやはり夢は叶うのです。「アラジン」は、ヒロインが「I choose you.」と明確な意思表示で伴侶を選んだ最初の作品になりました。


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●I  choose you.


 前回に延べた最初の
3人のプリンセス、白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫の愛は受身の愛で、待っていて与えられたものでした。

 それから30年後、1990年代初頭の上記3作品で初めて、相手の愛を得るために自分から行動を起す3人のプリンセスが登場しました。6人のプリンセスの姿を通してみると、幼年期から思春期までの女の子の成長過程を見るようです。

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●1989.11.9 ベルリンの壁崩壊。東西ドイツ、統一へ。

 この意識変化は、
1980年代の終りから1990年代初めに掛けての、ペレストロイカ、天安門事件、統一ドイツの誕生、ソ連邦崩壊という矢継ぎ早の世界変容と、社会情勢、男女間における価値観の変動と無縁ではありません。



 次回はさらに時代を進めて、1995年以降のディズニー長編アニメーションに登場するヒロインの姿を展望することにしましょう。 
                           つづく






生誕110周年記念「ウォルト・ディズニー展」 [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-3.jpg  生誕110周年記念「ウォルト・ディズニー展」

       東京は終了。次は京都、名古屋での公開が決まっています。


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ゴールデン・ウイークの最終日。
松屋銀座で開催の「ウォルト・ディズニー展」に行ってきました。

今回の展示の視点は、ウォルト・ディズニー生誕110周年を記念して、

彼の残した偉業と今日の発展の底に脈々と流れる<ディズニー・スピリット>

アピールしようというもの。

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ゲートをくぐると真っ先に登場するのは、

1920年代に作られた短編映画の「アリス」と「しあわせウサギのオズワルド」。
ウォルトが兄の
イといっしょに会社を立ち上げた当時、
ミッキー・マウスが誕生する前のキャラクターですが、

オズワルドは、今や新しいキャラクターとして人気上昇中。


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次のブースからは、「白雪姫」(1937)で大成功以降のおなじみ長編アニメーション、
「ピノキオ」(1940)、「ファンタジア」(1940)、「ダンボ」(1941)、「バンビ」(1942)
「シンデレラ」(1950)に関する原画、セル画、背景画等の展示です。

中でも楽しいのは、原画を描くポーズを付けるためのフィギュアの数々。

上記全作品のフィギュアがみごとに揃って、思わず「欲しい!」と気持ちが騒ぐこと必至。

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通路にあるガラスケース内に展示されているのは、

ヴィンテージ物のディズニー・キャラクターグッズの数々。

誕生した頃からのミッキー、ドナルド、グーフィなど、

それぞれのキャラクターが微妙に変化した経緯も一目瞭然。

ディズニー・ファンにはたまらない展示となっています。

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それもそのはず。今回の「ウォルト・ディズニー展」は、

ディズニー本社のアーカイヴとサンフランシスコにある
「ウォルト・ディズニー・ファミリー・ミュージアム」からの選りすぐりアイテム。

更に、ウォルトの長女ダイアンさんの協力により、

ディズニー家の家族写真やファミリーの動画など、
初公開の貴重な資料も展示されているのです。


長編アニメーションで大成功を収めたウォルトの「夢」は、

その後テレビへの進出と並行しながら

テーマパークの建設へと飛躍していきます。

手始めはロス郊外アナハイムの「ディズニーランド」でしたが、

大成功を収めると、次に構想されたのはフロリダ半島のど真ん中、オーランドに
未来都市を実現する「EPCOT(エブコット)」という壮大な構想でした。

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当時ウォルトが考えた構想が具体的にパネルで示され、

熱っぽくプレゼンするウォルト・ディズニー自身のテレビ画面。

「夢」を実現するためのひたすらな熱情が伝わる画面です。

そう。夢は待つだけでは叶わないものだから。

残念ながらウォルトは「EPCOT」の完成を見ずに世を去り、

生誕110周年記念展としての「ウォルト・ディズニー展」も、その段階まででおしまいです。


現在、ウォルト・ディズニーが夢見て果たせなかった「エブコット」を体感することができる私たちは、なんと幸せなことでしょう。


ファミリー・エンタテインメントから未来都市構想にまで広がる壮大な「夢」の実現に向けた、創造主・造物主ウォルト・ディズニーの一生。

それが、「生誕110周年記念 ウォルト・ディズニー展」から受けた印象でした。


…ということで、展示ブースの次には楽しいスーベニールが待っています。

会場がデパートですから、スペースも広く、
キャラクター・グッズのアイテムの多さにはビックリ。
特に今回はこのイベント限定で用意されたグッズと、
季節がら夏に向けてのグッズも多く、
ミキミニのこけし、手ぬぐい、うちわなどの和風アイテムも大好評のようでした。


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ちなみにこの日は、GWの最後の日ということもあり、

会場は8階なのですが、

話題映画の試写会のように、4階の踊り場から4列並びで入場制限。

入場まで30分ほどかかりました。


★「ウォルト・ディズニー展」の今後の展開(同展HPより転載)
<京都展>

会期:2012720日(金)~812日(日)

会場:美術館「えき」KYOTO(京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)

<名古屋展>

会期:20121215日(土)~2013120日(日)

会場:松坂屋美術館(松坂屋名古屋店 南館7階)

※本展は全国主要都市を巡回予定です。

※開催地、開催日程の追加と変更はウォルト・ディズニー110周年公式サイトで随時ご案内申し上げます。


★我田引水

当ブログ「時計仕掛けの昭和館」には「ディズニー長編アニメ再発見」というカテゴリーがあります。過去記事がちょうど今回の展示内容に合致します。よろしければ覗いてみてください。


●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」は  
  http://fcm.blog.so-net.ne.jp/archive/c45409934-1

●「ディズニー長編アニメ再発見-5~13」は
  http://fcmfcm.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301486730-1




ディズニー再発見17 キスシーンの無い映画は、泡のないビールか? [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-100.JPG ディズニー長編アニメ再発見-17
    キスシーンのない映画は、泡のないビールか?
      大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像 ⑤
      ディズニー<はじめて>ものがたり-3

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        ●ムーランは、いいところのお嬢さんにありがちなヤワなところがありません。

●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」はこちらを。  
●「ディズニー長編アニメ再発見-5~16」はこちらをクリックしてください。


●キスシーンの無いはじめての物語「ムーラン」(
1998

 「ムーラン」はディズニー長編アニメーションで初めてアジアが舞台になった作品です。

15世紀前後の中国北部。都は万里の長城を備えながらもフン族の襲撃におびえていました。すでにヨーロッパを震撼させたアッチラの時代は去り、この方面はシャンユーの指揮下に置かれていました。危機を覚えた皇帝は、民間人を予備軍として徴用することにしました。


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●いい婿どのが見つかるといいが…

 ファ家は由緒正しい家柄で、ムーランは一人娘でした。父母は家柄を継ぐにふさわしい男性との結婚を望んでいましたが、ムーランはまだ結婚する気などありません。第一、女に生まれたことでいろいろな制約があることが鬱陶しくてたまりません。

 都の使いが「一家から男一人、必ず出頭するように」とふれてきたのはそうした矢先でした。ムーランの父はもう引退しても良い年なのに、戦で痛めた足を引きずりながらも、翌日都に赴く決意をしました。そんな父の姿を垣間見たムーランは、父の代わりに自分が戦場に赴こうと決意します。父母が眠っている間にばっさりと髪を切り落とし、父の兜とよろいを身に着けると、勇躍愛馬にまたがって雷鳴の中を都に向かいます。余談ですが、戦時中男装の麗人と謳われた清朝皇族の王女・川島芳子は、この物語に憧れたのかもしれません。

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●身体の不自由な父の身代わりに…
           私が男として出征しよう! P1170390.JPG

 兵士としては1年生の民間人の指導に当たったのはシャン隊長。その名の通りのシャンですが、指導の厳しさは一通りではありません。なにしろ短期間でみんなを一人前の戦士に仕立て上げなければならないのですから。厳しさの中にも優しさやいたわりが見え隠れするシャン隊長の姿に、ムーランが乙女心を熱くするようになったのも無理はありません。

 屈強な男たちの中でめきめきと頭角を現したのは、シャン隊長に注目されたい一心からだったのかもしれません。ムーランは父のためといいながら、実は何かを見つけるためにここに来たのではなかったかと気づきます。

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 こうしてみんな立派な戦士に育った頃、いよいよ出陣の日がやってきました。北辺のシャン隊長の父が守備していた陣は、シャンユーの軍により壊滅。弔い合戦の決意を新たにする隊長でした。

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 決戦の火蓋は、一行が雪の峠に差し掛かったときに切って落とされました。稜線を埋め尽くして駆け降りてくるシャンユーの大軍勢。あわやという時、ムーランの機転で火砲を雪庇に打ち込んで敵の頭上に大雪崩を起こすことに成功。
 雪崩は敵味方の区別無く容赦なく押し流し、シャン隊長はムーランに救われます。けれどもムーランは傷を負ってしまい、見舞ったシャン隊長に女であることを知られてしまいました。偽りの入隊は死刑です。隊長はその規則にそむき、死一等を減じてムーランを追放します。


P1170396.JPG●突如姿を表したシャンユーの大軍勢

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     ●間一髪! ムーランの火砲が雪山の頂めがけて火を吹く。

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         ●大雪崩で気を失ったシャン隊長を救うムーラン

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         ●シャンユーが都に迫っている。急がなくちゃ。

 ところが取り残されたムーランは、全滅したと見えたシャンユーの軍の一部がよみがえり、都に向かったことを目撃します。シャン・ユーは勝利で沸き返る都に現れ、再び激しい戦闘になりますが、もちろん勝利するのはシャン隊長とムーラン。ムーランは皇帝に感謝されて家に戻りますが、その家をシャン隊長が訪れるところで幕となります。

 ということで、この作品はめでたしめでたしでありながら、いつもの儀式のキスシーンがありません。ムーランが男として活躍した作品なので、作中、隊長とのキスはありえない状況ですし、ラストもキスで締めなかったのは、もしかして中国の人たちに遠慮したのかもしれません。


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          ●「都を明け渡してもらおうか」と皇帝に迫るシャンユー          

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●こんな情景、どこかで見たような…そう、ピーターパンとフック船長。

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                  ●ムーランの見事なカンフーに、中国の観客もやんや、やんや。

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          ●「あれ、素通りしちゃうの」「だって、みんなの前じゃダメよ」 

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          ●「あの、お父さんの兜。忘れたでしょ」
            それを口実にムーランに会いに来たシャン隊長。 
  

●それでもディズニーはやっぱりハッピー・エンディング

 白雪姫からジャスミンまで、誰もが知っている「ディズニー6プリンセス」から、ちょっとマイナーながらも男勝りや妖艶な女性まで、ディズニー長編アニメーションは20世紀末までかかって、可憐な少女から大人の魅力を横溢させる女性までを描き切ったことになります。


 けれども、最新の「塔の上のラプンツェル」(
2011)のラストは、やはり美男美女が結ばれるということでめでたしめでたしでした。王子様との幸せな結婚が人生の最終目的という描き方は、多少形を変えながらも受け継がれているようです。それがディズニー長編アニメーションのこころだからでしょう。


●すべては国際的なマーケティング戦略のもとに

 これら1990年以降に公開された作品の企画の原点を探ってみると、ディズニー社の国際戦略の片鱗が見えてきます。

 「アラジン」(1992)は、世界がその成り行きを懸念していた中近東の国際紛争を背景に公開されました。ネイティブ・アメリカンが主役の「ポカホンタス」(1995)は、当時、世界に高まりつつあった少数民族の主張を先取りしたものでした。また「ノートルダムの鐘」(1996)は、1992年に発足したユーロ・ディズニー(現ディズニーランド・パリ)を含めたヨーロッパ市場のてこ入れ策として企画されたものと思われます。


 そして「ムーラン」(
1998)は、日本を飛び越えて初めてアジアを舞台にした作品でした。それは、公開の前年にイギリスの統治を離れて香港特別行政区が発足することとタイムリーに結びつけ、国際的な発言力を高めてきた中国に向けられたアメリカの視線を反映したものでした。

 ディズニー社にとって当時の中国は、すでに飽和市場の日本と違って、映画だけではなく、キャラクターグッズ、映像・音楽ソフトなど無尽蔵ともいえる市場拡大の可能性を秘めていました。中国人になじみの深い「ムーラン」の公開は、中国におけるディズニーファンづくりを推し進める布石であったことは言を待ちません。そしてその先には香港ディズニーランド(2005年オープン)があり、更にその先には上海ディズニーランド(2015年オープン予定)の構想もすでに生まれていたかもしれません。


 このようにディズニー長編アニメーションは、製作着手時点で完成後の
45年先の世界情勢を予測し、自社の世界戦略を推進するためのマーケティング活動を的確に絡めて製作されていることが分かります。それはディズニー社に限らず、国際企業全般に言えることではないでしょうか。
          この項(大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像)おわり


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ディズニー再発見16 悪女? 本当はかわいいおんな。 [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-100.JPG   ディズニー長編アニメ再発見-16        
     悪女? 本当はかわいいおんな。
           
       大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像 ④
           
       ディズニー<はじめて>ものがたり-3

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●ディズニー長編アニメーション始まって以来のヴァンプ(毒婦)役、メガラ(メグ)

●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」はこちらを。  
   http://fcm.blog.so-net.ne.jp/archive/c45409934-1
●「ディズニー長編アニメ再発見-5~14」はこちらをクリックしてください。

  http://fcmfcm.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301486730-1



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        ●オリンポスの神々の座       
                    

●ヒロインが悪女というはじめての物語「ヘラクレス」(
1997

 ギリシャ神話は古今東西、数え切れないくらい映画化されていますが、この作品もディズニーらしさを前面に押し出して、自由にアレンジされた物語です。

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●ヘラクレスは神の中の神ゼウスとヘラの間に生まれた神童

 ヘラクレスは天空のオリンポスで神として成長することを約束されて生まれたのですが、冥界の王ハデスによって不死身の力を奪われてしまいます。

 人間に育てられて長じたヘラクレスは、父ゼウスが<真の英雄>になれば神に戻れると遣わした天馬ペガサスといっしょにテーベを目指します。その途中、半人半馬のケンタウルスにからまれていたスレンダーな美女メガラを助けます。どこか投げやりでかげりのある彼女ですが、ヘラクレスはすっかり好きになってしまいました。けれどもメガラはヘラクレスにつれないそぶりです。

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「あなたの言葉を待っていたら、日が暮れちゃうわ」

 実はメガラは、元カレの命を救うためにハデスに魂を売ったのですが、そのカレが他の女性に走ってしまったことから、男というものを信用できなくなっていたのです。このあたりの設定からして、もうおとな向けの物語です。

P1170269.JPG メガラは悲しい過去を持つおんな

 ヘラクレスは民を恐れさせている怪蛇ヒュドラ、人食い大イノシシ、巨竜ラドンといった怪獣たちを次々と倒してヒーローの名を高めますが、収まらないのはハデスです。

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       ●世のため人のため。ヘラクレスは困難に自分から進んで挑戦。

 ハデスはヘラクレスがメガラを好いていることを掴むと、<ヘラクレスの弱点を聞き出したら自由にしてあげよう>と吹き込みます。ハデスからの開放は、メガラが何よりも願っていること。今度はメガラからヘラクレスへの積極的なアプローチが始まります。メガラはヘラクレスを色仕掛けで誘惑しますが、根は純真な乙女であるメガラは、いつしか優しいヘラクレスを本心から愛するようになってしまいます。

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「ヘラクレスの弱点を聞き出せたら、自由の他にスーパーのポイント10倍あげる」

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               ●お行儀なんてそっちのけ。いけないメガラのこの迫り方。
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 計略に失敗したハデスはヘラクレスの前に現れ、<24
時間の間人間でいるならば、メガラの自由を約束しよう>と提案。ヘラクレスがその条件を飲んだとたん、不死身のヘラクレスは普通の人間にされてしまいました。

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●タイタン族の決起。危うしオリンポス。

 ハデスはゼウスによって地底に閉じ込められていたタイタン族を解き放って、オリンポスの神殿を攻めさせます。獅子奮迅。神の力を頼らずに彼らをせん滅させたヘラクレスですが、ハデスは約束を破ってメガラを死の淵へ。ヘラクレスも恐れずに死の淵に飛び込んでメガラを救い出します。これぞ真実に生き、愛と勇気を備えた<真の英雄>。やがてヘラクレスに神の力が戻り、メガラの命もよみがえります。

 昔のディズニー映画なら、ここでめでたしめでたしだったかもしれません。けれどもこの物語はそこでおしまいにはなりません。

 

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●神に戻り、メガラを抱いてめでたしめでたしか・・・いや

 <真の英雄>を極めたヘラクレスは、メガラといっしょにオリンポスの宮殿に迎えられます。ゼウスから賞賛され、今は神と認められた神々しいヘラクレスの姿。それはメガラにはまぶしすぎるものでした。
  自分の身分を悟り、そっと身を引こうとするメガラ。その肩に降りかかった声は、
 「神の地位、永遠の命。そんなものは空しい」というヘラクレスの声でした。
 「それよりメグといっしょに暮らしたい。僕は人間の世界に残る」。
 ……なんと格好いい言い草。メガラのうれしさは、いかばかりか。
 ラストのキスシーンがすべてを物語っております。

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           ●人間になったヘラクレスには、黄金の輝きはありません。

 そして、実はこの設定。前にお話しした「リトル・マーメイド」と対になっているんですね。マーメイドのアリエルは、ラストは人魚の王女さまに戻れたのに、愛する王子といっしょに暮らすために人間になる道を選んだのでした。

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●「リトル・マーメイド」のラストシーン                                     
         
                                               つづく                                    

★ご案内
 ヘラクレス(ハーキュリーズ)に関する神話の原点を 般若坊 さんがとても分かりやすくてすばらしい記事にされています。その物語がディズニーではどのようにアレンジされているかなど、興味のある方はぜひご一読されることをお勧めします。
 その記事は こちら です



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ディズニー再発見15 おとこを惑わすじゃじゃ馬娘  [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-100.JPG  ディズニー長編アニメ再発見-15
     おとこを惑わすじゃじゃ馬娘登場
      大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像 ④
      ディズニー<はじめて>ものがたり-2

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エスメラルダの悩殺ウインクに、冷酷非情の堅物有力者フロロー判事もメロメロ

●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」はこちらを。  
●「ディズニー長編アニメ再発見-5~14」はこちらをクリックしてください。



●民族/差別問題に切り込んだはじめての物語「ノートルダムの鐘」(1996
 耳が巨大化したダンボを身体的欠陥とみなして差別だと受け取った人たちがいたそうです。ヴィクトル・ユーゴーの原作を元にした「ノートルダムの鐘」に登場する生まれつき不具な鐘突き男カジモドに対しても、同じように見る人たちがいるかもしれません。

 けれども「ダンボ」(1941)の描き方で分かるように、ディズニー長編アニメーションがこれらの登場人物を差別的に描くはずはなく、「ノートルダムの鐘」では、見かけとは正反対に美しい心を持つ男の物語が、共感をベースに温かい目で描かれています。


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 この映画が公開された
1990年代は、世界的に民族、宗教、人種といった問題が噴出した時代でしたが、その時期にひとつ間違えば物議をかもしそうな物語「ノートルダムの鐘」をあえて公開したことは、ディズニー長編アニメの意欲を示すものとして評価されてよいのではないでしょうか。


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「わしが育ててやった恩を忘れるでないぞ」

 舞台は教会が最高の権力を振るっていた
15世紀末のパリ。この地の最高権力者フロロー判事は、社会を乱す元凶は異郷のロマ(ジプシー)たちであると唱え、彼らを容赦なく弾圧していました。
 彼は
20年前、ノートルダム大聖堂前に捨てられた醜いロマの赤ん坊を贖罪のつもりで助け、カジモドと名づけて大聖堂の最上階に閉じ込めて、鐘突き男として育ててきました。この作品では、憧れのお城を眺めて暮らす女の子の代わりに、大聖堂の高みから毎日広場を見下ろして自由を夢見る男性がカジモドの役割です。


P1170352.JPG「ああ、自由になりたい」

 広場はみんなが待ちに待った祭りの日を迎えました。ステージやパレードを盛り上げるロマたちの中にひときわ目立つ美しい存在がエスメラルダ。

 フロローは護衛隊長フィーバスに祭りの監視を命じ、楽しそうな祭りにつられて聖堂を脱け出したカジモドも、広場の人の輪に入ります。


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          「フィーバス隊長。挙動不審者は容赦なくひっとらえよ!」 
           
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                「カジモドの奴、塔から抜け出しおって!」 

 ところが人々はその奇異な風貌を見て、カジモドをなぶりものに。その時、群衆の中から敢然と立ち上がったのがエスメラルダでした。
 ここと思えばまたあちら。変幻自在のじゃじゃ馬娘が
カジモドを助ける活躍ぶりに、彼女をいっぺんに好きになってしまったのはフィーバス隊長。また驚くべきことにフロローまでもが、その妖しい魅力に惑わされてしまったばかりか、エスメラルダに助けられたカジモドも彼女に淡い期待を抱いてしまいました。これって四角関係っていうのかな。こんなに自由奔放で男にもてたヒロインも、ディズニー長編アニメーション史上初めてです。
 

         P1170330.JPG ←この瞳がフロローをとりこに。

P1170354.JPG カジモドはみんなの慰みものに
 
       P1170356.JPGカジモドを助けるエスメラルダ 

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         「おおエスメラルダ。そなたはなぜにエスメラルダなのだ」
          かわいさ余って憎さ100倍のフロロー。                  
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 こんなにいやらしいワルも、ディズニー長編アニメーション史上初! 
 権力をかさに着て、唾棄すべき輩とはこのこと。肩書きの看板を降ろしたらけだもの以下。


 フロローは、自分になびかないエスメラルダを魔女と名指しし、大聖堂に閉じ込めてしまう一方、民衆への見せしめに罪のない粉屋に言いがかりをつけて風車ごと燃やしてしまいます。
 その仕打ちに反感を抱いたフィーバス隊長はフロローに反旗を翻し、虐げられている民衆の側に付きます。当然、隊
長は追われる身となりますが、エスメラルダに助けられてカジモドの元へ。エスメラルダはカジモドに、フィーバスをかくまってくれるよう嘆願します。<エスメラルダの気持ちは自分ではなくフィーバス隊長にあったのか…>。夢が崩れ去っていく悲哀をかみしめるカジモドでした。

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            フロローの  命令で、罪もない粉屋が焼かれる。

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エスメラルダを巡って、ほんのちょっとしたいさかい。

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         (エスメラルダの気持ちはフィーバス隊長に向けられていたのか…)

 結局、この作品で主役を張ったカジモドは、美女エスメラルダとめでたしめでたしという訳には行きませんでした。原作ではフロローによって処刑されるエスメラルダですが、その結末を避けて、カジモドの大奮闘によるエスメラルダの救出シーンをクライマックスに設定して花を持たせ、やはりラストは美男美女のカップルで締めたいということなのでしょう。エンディングはエスメラルダとフィーバス隊長が結ばれるというところが「ノートルダムの鐘」の限界なのかもしれません。

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●フロローの一方的な魔女裁判でエスメラルダは火刑に。
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                   「もう大丈夫! 僕が助けてもらったお返しだいっ」     

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「幸せになってくれなきゃ、ペンしちゃうからね。頼むよ」

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     「ここで終わりにしたくないって顔してるわね。あなたの活躍の場、少なかったものね」

                                      つづく


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ディズニー再発見14 <はじめて>ものがたり [ディズニー長編アニメ再発見]

P1030925b-100.JPG ディズニー長編アニメ再発見-14
    ディズニー<はじめて>ものがたり-1
      大きく変貌したディズニー映画のヒロイン像 ③

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●同じ少女でも、オーロラ姫(眠れる森の美女)とは中身がちがう。「ポカホンタス」1995

●「ディズニー長編アニメ再発見-1~4」はこちらを。  
●「ディズニー長編アニメ再発見-5~13」はこちらをクリックしてください。



 前回まで、ディズニー長編アニメーションの象徴ともいえる「ディズニープリンセス(ディズニー
6姫)」について、その描かれ方の変化を見てきました。ところが1990年代後半以降はプリンセスは登場していません。

 お姫さまに代わって登場したのは、ひと味もふた味も違う個性的なヒロインです。そこには、お姫さま路線にこだわらないディズニー長編アニメーションのフレキシブルな方向性を見ることができます。ディズニーにとって初めての挑戦。今回はそんな新しいタイプのヒロインに登場してもらいましょう。



●ハッピーで終わらなかったはじめての物語「ポカホンタス」(
1995

 ポカホンタスはアメリカ人ならだけもが知っているほど有名な、ネイティブ・アメリカン(先住民)の女性だそうですが、これはディズニーが初めて歴史上の実話をベースに取り組んだ作品でした。

P1170074.JPG●酋長と勇者ココアム

 17世紀初頭。ポカホンタスはのちにヴァージニアと名づけられる土地で、ポウハタン族の酋長の娘として成長しました。酋長は娘の結婚相手として一人の勇者に白羽の矢を立てていますが、彼女はお仕着せの結婚には納得せず、もっと広い世界を見たいという願望を持っています。その毅然とした姿はもう大人の女性です。(史実では彼女は11歳だそうですが)


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●穏やかな左の流れよりも、あえて滝に向かう激流を選ぶ彼女の象徴的シーン

 そんな平和な集落の静寂は、アメリカを植民地にしようと現れたラトクリフ総督の指揮するイギリス帆船の出現によって破られます。酋長は彼らを平和裡に迎え、ポカホンタスは未だ見ぬ異郷の青年ジョン・スミスと出会い、恋に落ちます。

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          ●私利私欲で新天地を蹂躙しようとするラトクリフ提督

P1170082.JPG●二人の初めての出会い
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P1170089.JPGP1170092.JPG

 けれども彼らの地を徹底的に収奪しようとする総督の本心を見抜いた酋長は、他の部族と連携して彼らを排斥することを決意し、双方は一触即発の危機を迎えます。ジョンはポカホンタスに、総督が明朝攻撃を仕掛けてくることを伝えますが、ポウハタン族の戦士に捕らえられ、酋長の手によって処刑されそうになります。その直前、身を投げ出して彼を救ったのはポカホンタスでした。彼女は怒りではなく理解すること、勇気をもって行うこと、その尊さを身を挺して父親に諭したのでした。これまでに見てきたヒロインたちと比べて、なんという成長ぶりでしょうか。


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        P1170348.JPG                  
        ●身を捨ててジョンをかばおうとするポカホンタス

 そこに到着したのはラトクリフ総督の一軍。いくさの無意味さを悟った酋長をラトクリフ総督が狙います。とっさに身代わりになったのはジョンでした。総督の銃弾を受けたジョンは負傷し、両軍は互いに矛を収めることにして和解。帆船は引き上げることになりました。
 担架のジョンに寄り添うポカホンタス。「いっしょに行こう」と問いかけるジョンに、彼女は悲しげに、けれどもきっぱりと答えます。「私は行かない。けど、何があっても私たちはいつもいっしょ」。


P1170105.JPG●別れ

 彼女の悲しみは遠ざかる帆船とともに最高潮に達します。こらえ切れずに、出て行く船を全力疾走で追いかけるポカホンタス。その先は高い岬の鼻。そこに立ってジョンを見送るポカホンタスの姿は威厳すら感じられるもので、それはかつてない感動的なエンディングとなりました。

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     ●これまでのような「めでたしめでたし」では終わらなかった「ポカホンタス」

 この作品で特筆すべきは、描かれた彼女の肢体と表情のみごとさ。特に悲しい表情が、まるで俳優が演じているかのように、どんなに微細に描かれていることか。<自分の道は自分で選ぶ>という自立心を備えた「ポカホンタス」には<
Dreams  come  true.>の魔法のおまじないが入り込む余地はなく、今日に至るもいちばんおとなの物語になっていると思います。同じモンゴロイドとして、東洋にも通じるヒロインの容貌に親近感を覚え、どっぷりと感情移入して見つめ続けた映画でした。

                                      つづく




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