So-net無料ブログ作成
検索選択
映画が残した昭和のすがた ブログトップ

「野良犬」に描かれた昭和 [映画が残した昭和のすがた]

P1030925b-100.JPG  映画が残した昭和-2
      終戦直後の代表的な、都心と郊外の姿

    「野良犬」(1949)


             IMGP0229.jpg

★この「映画が残した昭和」カテゴリーの趣旨は第1回に明示してあります。


 シリーズ第2弾は、黒沢明監督の「野良犬」を採り上げさせて頂きました。バスの中でピストルをスリに盗られた刑事が、強い責任感で犯人を捜して追い詰めるまでを描いた迫真のドキュメンタリードラマ

まだ焼け跡が残る終戦直後の東京。猛暑の中、復員姿で犯人の聞き込みに奔走する刑事。闇市の様子、公園にたむろするフーテン、夜の女、風俗営業やキャバレーなど猥雑な都心の風俗と、住宅地として開発される前の荒涼とした郊外の状況をこれほど鮮明に見せてくれる作品は他に類を見ません。



■この映画に描かれた昭和のポイント

・警察の内部

・闇市の様子、民衆の服装

・盛り場、マンモスキャバレー

・流行歌

  当時の社会情勢を流行歌の連続で綴って見せた手腕は、高く評価されています。

・郊外の様子
映画に登場する鉄道小田急線。
刑事が犯人を追いつめ、逮捕する湿地のあたりは町田市とか。(大泉学園の説もあり)
映画では壮絶な犯人追跡劇と対称的に、新築成ったばかりの文化住宅から、穏やかなピアノの音が聞こえてくる。ラストは、力尽きて倒れたままの二人の彼方を、子供たちが童謡を歌いながら通っていく…という印象的なシーンを構成しています。





■「野良犬」データ

製作会社 新東宝

製作年度 1949 

監督   黒沢明

主演   三船敏郎 木村功 志村喬 淡路恵子 岸輝子 千石規子

仕様   モノクロ スタンダード

上映時間 122



■メモ

◎犯人につながる容疑者が、後楽園球場の野球を観戦しているシーンがありますが、これは実際の巨人/南海の歴史的な対戦の様子で、赤バットで鳴らした川上選手が活躍しています。   
◎黒沢明監督を敬愛するスティーブン・スピルバーグ監督が、デビュー作「激突」(1972)の酒場のシーンで、「野良犬」の主人公が犯人の靴に着目するところを応用し、オマージュを捧げていることは有名です。

●このような視点でこのカテゴリーを展開しようと考えましたが、著作権の壁が立ちはだかっています。過去の著作は多方面に文化的に活用されることで更に真価を発揮すると思うのですが、現状では無理のようです。この企画はテレビ局の特番でぜひ実現していただきたいものです。
一日も早くネット時代にふさわしいフリキシビリティを備えた著作権の新しいフレームが確立することを願いながら、このカテゴリーは2回でおしまいにしたいと思います。


「二十四の瞳」に描かれた昭和 [映画が残した昭和のすがた]

P1030925b-100.JPG    昔があって、今がある。今は明日へ続いてく。   
            嗚呼、素にして純。
            
映画が残した昭和のすがた-1

       日本の戦前~戦中~戦後までを描いた大作

     「二十四の瞳」1954


      IMGP0222_edited-1.jpg

こんにちは。
「時計仕掛けの昭和館」館長のsigです。
本館の他にこの別館を開設して10カ月。いつもご愛顧ありがとうございます。
このたび、昭和館に死蔵されている映画ビデオアーカイブに日の目を当てるために、このコーナー(カテゴリー)を開設しました。テープ時代のアナログ録画で画像の劣悪さはいかんともしがたいのですが、お楽しみいただけたら幸いです。


■新カテゴリー開始にあたって

映画は、フィルムという細い帯に時間と空間を封じ込めたタイムカプセル

(最近は必ずしもフィルムではなくなりましたが)

つまり、昭和という時代に作られたいわゆる現代劇映画を紐解けば、そのころの風景、風俗、生活情景に接することができるし、セリフには当時の価値観が息づいています。


温故知新……故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る。

昭和の映画を訪ねることは、単なるノスタルジアからではありません。

昭和とはどんな時代だったのか。

その延長線上で「今」をつかみとれば、未来の展望も可能になるでしょう。

それでこそ過去の名作は、今日的意味合いを持って蘇るのではないでしょうか。

昔の現代劇映画が時代劇映画に変わらないうちに、「動いて話す視聴覚マルチ・ディクショナリー(つまり、映画)」で、昭和のあれこれを辿ってみることにしましょう。


●映画評論、映画解説ではありません

このブログはささやかな街角の「昭和館」ですから、日本映画の名作についての評論など、畏れ多くてできません。それらはすべて専門家にお任せして、ここではひたすら名作映画の中から<昭和の事象>を切りとることに専念しました。掲出した動画は物語のダイジェストではないことをご了承ください。

なお、このカテゴリーでは詳しい説明は省き、みなさんが思い思いの感慨に浸っていただくことにしましょう。


●見どころ、聞きどころをお見逃しなく

毎回添付のダイジェスト動画を、どのように見ていただいてももちろん自由なのですが、郷愁以外に下記のポイントを考慮してながめ直せば、文化遺産としての旧作映画の意味合いがより深まるのでは…と思います。


.風景、社会世相

   自然風景、名所旧跡 …

   農山漁村風景、労働情景、生活状況 …
   都市の風景、街並み、建築物、商店街 … 
   
四季の行事・催事

.交通機関
   蒸気機関車、電気機関車、列車、都電/市電、バス、タクシー …
   自家用車、自転車

.屋外広告

ネオン塔、看板、ネオンサイン、ポスター …

.ファッション
   ヘアスタイル、季節ごとの服装、バッグ/鞄 …
   流行の遊び、レジャー

.いろいろな職業。仕事場や職業人の様子
   職種、制服、

.学校生活
   校舎、制服、年間行事、先生と生徒の関係

.家庭生活
   家屋のかたち、衣食住、家庭行事、近隣との関係 … 

.礼儀作法
   親子/夫婦、近隣、上司と部下、冠婚葬祭、言葉遣い


9.
娯楽、風俗
   四季の催事
   
流行歌

       旅行

    盛り場、遊戯、飲食

10.
その他いろいろ


 

■では、皮切りに…

今回、シリーズ第一弾として採り上げさせて頂いたのは、終戦の9年後に製作された木下恵介監督の「二十四の瞳」(1954)です。

この物語は、戦前・戦中・戦後に至る昭和時代前半のすべてが描きつくされている大作で、至る所にちりばめられた童謡(時には軍歌)や小学唱歌によって彩られた一大叙事詩と見ることができます。

動画の抜粋にあたっては、次の視点で拾わせていただきました。


◎戦前の小学校の様子

◎一般的な地方の農漁村の様子

◎戦時中の世相

◎当時の小学唱歌、童謡、軍歌




                                                               arranged by sig

■データ

製作会社 松竹大船
製作年度 1954
監督   木下恵介

主演   高峰秀子 田村高広 笠智衆
仕様   モノクロ スタンダード

上映時間 162分

メモ   壷井栄原作。小豆島を舞台に、大石先生と12人の教え子の絆を描く。

     1987年に、朝間義隆監督、田中好子、武田鉄矢主演で再映画化。


映画が残した昭和のすがた ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。